懐かしい状況
02.宝探し屋? ―― 2005.08.18
ゴゴゴ、と石と石が擦れ合うような音。揺れる視界。
ぐらぐらと揺れているのは遺跡自体なのか、それとも地面そのものか。
地下に潜っても電波を失わない特殊な作りになっているらしい、H.A.N.Tからは警告音が鳴り響く。
「くるぞ――――ッ」
サラーがそう叫んで指差した先には、青紫色の巨大な犬に跨ったミイラ。
にたりと開かれた口からは涎が零れ、地面に滴り落ちる。
白い布に拘束されたミイラは、体を仰け反らせながら奇声を発している。
突然現れた墓守に、龍麻は感心して見上げるばかり。
体勢を整えた墓守が龍麻に向かって走ってきた。
いち早く行動したのはサラーだった。立ち尽くす龍麻の腕を掴み、近くの柱の影に身を隠す。
突進していた墓守は曲がることができずに、さっき二人が立っていた場所の床石を破壊する。
その衝撃音で目が覚めた龍麻は、サラーに隠れているように指示を出した。
体勢を整えて、再び龍麻たちに向かって突進してこようとする墓守。
その注意を引き付けるように飛び出し、手始めに、とガスHGを投げ付けた。
「…………やってること、高校の時と対して変わってない気がする」
トン、と軽い身のこなしで敵を翻弄する。
目で追えないほど早い動きではないが、しかし確実に墓守の攻撃を紙一重でかわしていた。
「まぁ……暗号解読や罠の解除よりも、こっちの方が得意分野だけど」
焦れたように攻撃を仕掛けてくるのを待って、それをかわし、反撃。
龍麻はそれを繰り返していた。
まるで舞いを舞うかのように、ひらひらと、龍麻は墓の中を縦横無尽に飛びまわる。
「……こやつは……本当に宝探し屋、なの、か?」
サラーが茫然と見つめる中、龍麻が一発の銃弾を放つ。
吸い込まれるように、銃弾は正確に眉間へと命中する。
次の瞬間には、《墓守》の姿は光と共に消え去っていた。