peril
09.心拍数 ―― 2005.12.05



『心拍数低下』

煩わしく繰り返される声。この数分で、何度、同じ台詞を聞いただろうか。
いっそのこと壊してやろうかとも思ったけれど、そんなことをしている暇はない。
空の薬莢が落ちる音と、流れ落ちる血の音が重なった。

出血のせいで頭がぼうっとする。
けれど、体中の痛みと染み付いた本能が意識を飛ばすことを許さない。
弱った俺に、敵は自分の優位を感じ取ったのだろうか。
両腕を振り上げて、怒りと優越感で顔を歪めて、一斉に襲いかかってくる。

「………………………、残念だな。俺はコレくらいの怪我じゃあ、負けないぜ?」

肉の抉られた右足を引き摺り、半分麻痺しかけた左手で刀を持ち。
何とか無事な右手に持ったルガーを、正面に立つ敵に向けた。

「さぁ、初めようか」


( 正当防衛という名の、殺戮を )