ゲームスタート前のオープニング
01.転校生 ―― 2005.08.07



堂々と校門のプレートに書かれている文字は『私立天香學園高等學校』。
重厚な門は、立ち入ろうとする者を拒絶するかの如く。
都内にあるというのに異質な空気を発する建物。
ここだけ別世界という印象を受けたが、あえて口には出さない。「立派な学校ですね」とありきたりの感想を述べる。聞いているのかいないのか、唯一の会話の相手である男は、微笑を浮かべたまま何も言わない。

校門の前に仁王立ちしている、一人の転校生。
背後には黒塗りの高級車が一台。
車の側に立つ背の高い男は、黒のサングラスに黒のスーツ。

「……それでは、私はこれで。《秘宝》の加護のあらん事を」

聞いているのか聞いていないのか、転校生は男の言葉に何の反応も示さない。
男も返事を期待していなかったようだ。
淡々とした口調でそう告げると、さっさと車に乗り込み、高級車は最小限の音を立てて去っていく。

残された転校生は、ぎらりと獰猛な光を持った瞳を學園に向かって放つ。
次の瞬間には消え去っていたが、その瞳は、まさしくハンターのもの。

制服の下にはバレないように隠した拳銃が一丁、ポケットの中にはピッキング用のヘアピンが5、6本。鞄の中には、前日に渡された教科書とノートに加えて、學園に関する簡易報告書と機密報告書。暇つぶし用の洋書が1冊、棒付きキャンディが3個。メンソールの煙草を1箱に愛用のライター。
そして《宝探し屋》の必須アイテム、H.A.N.Tを持って。


危険な転校生、来襲。